一覧 NVIDIA入門 NVDA / NASDAQ
オルカンの中身 / 成長レンズで読む

「画像処理の会社」では、
もう測れない。
NVIDIAとは何者か。

NVIDIA(ティッカー NVDA)は、AI計算の土台をほぼ独占する米半導体メーカー。あなたのオルカン(全世界株式)でも組入1位(約4.9%)の最大の中身です。元はゲーム用のGPU(画像処理チップ)の会社でしたが、その並列計算が生成AIの心臓部になり、売上は1年で+65%。配当はごくわずか、見るべきは成長と利益率です。むずかしく感じても大丈夫、順番にほどきます。

データセンターGPU
CUDA(ソフト基盤)
ゲーミング(GeForce)
プロ向け描画
ネットワーキング
自動車・自動運転
ロボティクス
推論(Inference)
Omniverse
時価総額
約4.7兆ドル
売上(FY26)
2,159億ドル
売上成長(前年比)
+65%
予想PER
約25

数値の基準時点:決算=FY2026(2026年1月期、2026年2月発表・米国基準)/ 株価・指標=2026年6月下旬時点の概算。出所:NVIDIA 決算リリース・10-K、各金融情報サイト。ドル建て・四半期で大きく動くため、最新の一次情報をご確認ください。

いそがしい人へ
  • 01NVIDIAはAI計算の土台をほぼ独占する米半導体の王者。オルカンの組入1位(約4.9%)=あなたの投信でいちばん大きい中身です。
  • 02FY2026(2026年1月期)は売上2,159億ドル(+65%)・純利益約1,201億ドル。データセンター(AI用GPU)が売上の約9割で、爆発的に伸びています。
  • 03配当はごくわずか。見るのは売上成長と利益率(営業利益率約6割)。高PERでもCUDAという堀と成長で正当化される——が、バリュエーションの高さがリスク
01 / そもそも何の会社?

ゲームのチップ屋が、
AIの“土台”になった。

NVIDIAは、もともとゲーム用のGPU(画像処理チップ)をつくる会社でした。その「同じ計算を一気に並列でこなす」性質が、AIの学習にぴったりだった。いまやAIを動かす計算の土台そのもので、世界で最も時価総額の大きい会社の一つです。

ポイントは、NVIDIAが売るのは「部品」ではなくAIを動かすための“発電所”一式だということ。チップ+つなぐ技術+ソフト(CUDA)をまとめて握っています。

1993

創業

ジェンスン・フアンらが創業。PCゲームの3Dグラフィックスを高速化するGPUで成長しました。

1999

「GPU」を発明

GeForceでGPUという言葉を広め、ゲーム向け描画の定番に。

2006

CUDAを公開

GPUを“計算機”として使えるCUDAを無償公開。研究者がGPUで科学計算やAIを回し始めます。これが後の堀になります。

2012

ディープラーニングの号砲

画像認識AI「AlexNet」がGPUで圧勝。AIの学習にGPUが必須という流れが決定的に。

2023〜

生成AIブーム

ChatGPT以降、大規模AIの学習・推論にNVIDIAのGPUが殺到。データセンター向けが爆発的に伸び、売上が一気に跳ねました。

いま

時価総額 世界トップ級

時価総額は約4.7兆ドル規模で、Apple・Microsoftと世界一を争う水準に。オルカンでも組入1位です。

02 / どうやって稼ぐ?

売上の約9割が、AIデータセンター。

NVIDIAの稼ぎは、いまやデータセンター向け(AI用)に大きく偏っています。GPU単体だけでなく、サーバーをつなぐネットワーク、そしてソフトのCUDAまで“まとめ売り”するのが強さです。

データセンター(AI用GPU)

AIを学習・推論させる計算の心臓部。GB200などの最新GPUと、サーバーをつなぐ高速ネットワークをまとめて提供。売上の約9割を占める主力です。

CUDA(ソフト基盤)

GPUを動かす開発環境。世界中のAI開発者がCUDA前提で開発しており、他社チップへ簡単に乗り換えられない。これがNVIDIAの堀。

ゲーミング(GeForce)

創業以来の本業。PCゲーム向けGPUで世界トップ。いまは利益の主役ではないが、ブランドと量産技術の土台です。

自動車・ロボティクス

自動運転やロボットの頭脳になる計算基盤。今はまだ小さいが、AIの“次の市場”として期待される成長領域です。

※ NVIDIAは製造工場を持たないファブレス。設計に専念し、製造は台湾のTSMC(オルカン上位の常連)に委託しています。NVIDIAとTSMCは、AIブームの“表と裏”の関係です。

03 / 売上の構成

どこで稼ぎ、どこが伸びているか。

売上の構成を見ると、データセンターへの一極集中がはっきり分かります。裏を返せば、AI設備投資の波しだいで業績が大きく動くということでもあります。

部門別売上の構成

FY2026(2026年1月期)/部門別売上の概算・億ドル
データセンター(AI) 91% ゲーミング 6% 自動車・ロボティクス 1% プロ向け描画 1% その他(OEM等) 1%
主力(データセンター)その他(ゲーム等)新領域(車・ロボット)

※ 概算イメージ。データセンターが約9割(FY2026は約1,973億ドル)。ゲーミングや自動車は今は小さく、NVIDIA=実質「AIデータセンターの会社」になっています。

3つの役割で読み解く

「成長レンズ」では、配当より伸びと持続性を見ます。3分類で整理します。

主力

爆発成長中
AIデータセンター
GPUネットワーキングCUDA

売上の約9割。生成AIの設備投資を直接取り込み、前年比2倍に近いペースで伸びてきました。利益率も非常に高い。

土台

安定・成熟
ゲーミング
GeForcePC向け

本業のゲーム向けGPU。成長は緩やかですが世界トップのシェアとブランド、量産ノウハウの土台です。

新領域

次の賭け
車・ロボット・推論
自動運転ロボティクスOmniverse

まだ小さいが、AIが学習から「推論(使う)」へ広がると一段と大きくなる可能性。長期の伸びしろです。

いまの立ち位置

一極集中の強さと、もろさ

データセンター一本足は、AI投資が続く限り最強。一方で、大口顧客(クラウド大手数社)への依存と、その投資が一服したときの反動が最大のリスクでもあります。

だからNVIDIAは、車・ロボット・推論など需要の裾野を広げることに力を入れています。

出所:NVIDIA FY2026 決算リリース・各社報道。構成比は概算で、四半期ごとに変動します。

04 / 最新決算を読む(成長が主役)

売上は3年で約8倍。利益率も桁外れ。

成長株では「いくら稼いだか」よりどれだけ速く伸びているか・利益率は高いかを見ます。FY2026(2026年1月期)の数字は、その両方が圧倒的でした。

売上高(FY26)
2,159億ドル
+65% 前年比
純利益(FY26)
1,201億ドル
大幅増益
粗利益率
約73%
高水準を維持

売上高の推移と来期予想

単位:億ドル / 年次(1月期)
0 1,000 2,000 3,000 4,000 270 FY23 609 FY24 1,305 FY25 2,159 FY26 3,900 FY27予 会社予想
実績市場予想(FY27)

FY2023の270億ドルから3年で約8倍。データセンター部門はFY2026に約1,973億ドル(前年から大幅増)。生成AIの設備投資をまるごと取り込みました。

成長の質

「伸びているのに、儲かっている」

急成長企業は赤字も多いなか、NVIDIAは営業利益率が約6割。売上の半分以上が利益として残る、極めて質の高い成長です。CUDAという堀があるから、価格決定力が強い。

稼いだ現金(FCF)も巨額で、自社株買いに回しています。

注意して読む

伸び率は、いずれ鈍る

+65%のような伸びは永遠には続きません。規模が大きくなるほど成長率は自然に鈍化します。市場は「次も高成長か」を毎四半期チェックしており、伸びの“減速”だけで株価が大きく動きます。

数字は会計基準(GAAP/non-GAAP)で見え方が変わる点も注意です。

出所:NVIDIA FY2026 決算リリース・10-K(2026年2月)。金額は概算・ドル建て。

05 / 来期はどうなる?(ガイダンス)

会社のガイダンスは、まだ強気。

米国企業は「来四半期の見通し(ガイダンス)」を出します。NVIDIAの足元のガイダンスは引き続き強気で、AI需要のピークアウト懸念をいったん打ち消しました。

市場予想 売上(FY2027=2027年1月期)
約3,900 億ドル
さらなる大幅増収を市場は想定(予想は変動)
データセンター需要は当面強い見通し / 直近Qも会社予想超え

ガイダンスを読む3つの注記

① ガイダンスは「約束」ではなく会社の見通し。毎四半期、実績がそれを超えるかで株価が大きく動きます。

② 焦点は対中輸出規制。中国向けの一部AIチップは規制対象で、ガイダンスから外れることがあります。

③ 次世代GPUの立ち上がりと供給制約(TSMCの生産能力)も、伸びを左右します。

06 / 株価と「なぜ高PERか」

株価は上がったのに、PERはむしろ下がった。

成長株のものさしは、割安かどうか(PBR)ではなく「高いPERが成長で正当化されるか」。NVIDIAはまさにその典型です。

株価の推移(2026年・ドル)

終値ベースの主要な節目/単位:ドル(10分割後)
150 175 200 225 250 168 1月 152 2月 200 4月 236 5月 193 6/26
株価(ドル)決算発表(5月)
直近の株価(6月下旬)
約193ドル
6/26 終値 $193前後
時価総額
約4.7兆ドル
世界トップ級
配当利回り
約0.5%
2026年5月に25倍増配

成長レンズの指標 ― 割安さより「質」を見る

米国の成長株は配当が低く、PERも高いのが普通。S&P500平均PERは約20〜22倍、メガテックは30倍超も珍しくありません。NVIDIAは売上成長と利益率で「質」を見ます。

売上成長率前年比
+65%

成長株で最重要。規模が大きいのに高成長を維持。ここが鈍ると株価が動く。

営業利益率収益の質
約62%

売上の6割が営業利益。CUDAの堀による価格決定力の高さを示す。

予想PERforward PER
約25

高いが、S&P500(約20倍)+成長を考えれば極端ではない。利益成長で正当化。

PSR株価売上倍率
約22

時価総額が売上の何倍か。高水準だが、高利益率の成長株では珍しくない。

EPS1株利益
約4.9ドル

1株が生む利益(FY26)。来期はさらに増える見込み。

FCFフリーCF
約970億ドル

稼ぐ現金。自社株買いの原資。成長株では“質”の証拠になる。

粗利益率
約73%

原価を引いた粗利の率。半導体としては非常に高い水準。

配当還元
約0.5%

2026年5月に四半期配当を25倍に増配(年$1.00)。それでも利回りは低く、還元の主役は自社株買い。

いちばんの注目点

「高PER」は、実は下がってきた

株価がこれだけ上がったのに、予想PERは数年前の60倍前後から約25倍へ低下しました。利益が株価よりも速く伸びたからです。これが「高PERが成長で正当化される」ということ。下のチャートはそのイメージです。

0 20 40 60 80 60 FY23 65 FY24 45 FY25 32 FY26 25 現在

株価は上がり続けたのに、PER(予想)はむしろ低下。利益が株価以上に速く伸びたためです。高PERが「成長で正当化」される典型例。

出所:各金融情報サイト(株価・指標は2026年6月時点の概算、ドル建て)。PER/PSRは集計元・予想の置き方で変わります。株価の節目は概算です。

07 / 他のメガテック・市場と比べる

「高成長×高PER」グループの先頭。

指標は比べて初めて意味を持ちます。S&P500(市場平均)メガテックに当てると、NVIDIAの「成長は最速級・PERは意外と中庸」という位置が見えます。

成長レンズで比較

バーの長さは水準のイメージ(概算)
売上成長率前年比(高いほど成長)
NVIDIA
+65%
メガテック平均
約15%
S&P500平均
約6%
予想PER高いほど割高(成長期待)
NVIDIA
約25倍
メガテック平均
約30倍
S&P500平均
約21倍
営業利益率高いほど“質”が高い
NVIDIA
約62%
メガテック平均
約30%
S&P500平均
約13%

※ メガテック=Apple・Microsoft・Alphabet・Amazon・Meta等の目安。S&P500平均=概算。集計元・時点で変動します。

オルカン上位を実数で並べる(概算)

あなたのオルカンの「中身トップ」を、組入比率つきで。NVIDIAが断トツの1位です。

銘柄オルカン比率時価総額予想PER売上成長
NVIDIANVDA 約4.9%約4.7兆ドル約25倍+65%
AppleAAPL 約4.3%約3.5兆ドル約30倍約5%
MicrosoftMSFT 約2.9%約3.7兆ドル約32倍約15%

同じ「オルカン上位」でも、NVIDIAは成長率が桁違い。その分だけ業績の変動も大きく、相場全体を動かす“主役”になっています。

08 / 市場・アナリストの評価

評価は「強気」優勢。ただし振れ幅も大きい。

アナリストは1年後の目標株価と投資判断を出します。NVIDIAは「買い」が多数派ですが、AIへの楽観・悲観で目標株価のレンジは広めです。

投資判断(レーティング)の内訳

コンセンサスは「強い買い」寄り。

強気・買い
多数
中立
少数
弱気・売り
ごく少数

※ 大多数が「買い」。売り推奨はごく少数(集計元・時点で変動)。

目標株価(1年後・ドル)

慎重派
約210 ドル
平均(コンセンサス)
約300 ドル
強気派
約400 ドル

平均目標株価は直近株価(約193ドル)より。ただし「AI設備投資が続くか」への見方で、強気派と慎重派の差が大きく開いています。

市場の関心は一点に尽きます——「AIへの巨額投資は、いつまで続くのか」。NVIDIAの株価は、AIブームそのものの“体温計”になっています。

出所:各証券・金融情報サイトのコンセンサス(2026年6月時点の概算)。目標株価・判断は各社・時点で異なります。

09 / 投資信託での位置づけ

あなたのオルカン・S&P500の、いちばん大きい中身。

NVIDIAは、日本で大人気のインデックス投信の最大の構成銘柄です。「個別株は買っていない」人も、投信を通じてしっかり保有しています。

組入1位
全世界株式(オルカン)で組入比率 約4.9%=堂々の1位。S&P500連動ファンドでも上位。日本の個人が積み立てるお金の少なからぬ割合がNVIDIAに向かっている計算です。

パッシブインデックス投信での採用

時価総額が大きい=指数での比率も大きい

  • 全世界株式(オルカン)組入比率 約4.9%で1位(2026年5月末時点)。世界中の株から、いちばん多く持たれている。
  • S&P500米国500社の指数でも上位の構成。米国株インデックスの主役の一つ。
  • ナスダック100・SOX(半導体指数)ハイテク・半導体の指数では中心的存在。

時価総額が大きいほど、指数の中での比率も大きくなります。NVIDIAが動くとオルカンやS&P500そのものが動く——それだけの存在感です。

アクティブ成長株ファンドの定番

AI・テクノロジーを狙う投信の中核

  • AI・テクノロジー関連ファンドAIの本命として、ほぼ必ず上位に組み入れられる。
  • 米国成長株ファンド高成長・高利益率の象徴として定番の保有銘柄。
  • 半導体ファンド半導体テーマの中心。値動きの主役になりやすい。

出所:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)月次レポート(2026年5月末基準)、各運用会社の交付目論見書等。組入比率・順位は毎月変動します。

10 / 投資家からの評判

「AIの王者」か、「バブルの象徴」か。

NVIDIAほど見方が割れる銘柄はありません。熱狂的な強気と、冷静な警戒。両方の言い分を並べると、この株の性格が見えてきます。

強気派の見方

「AI時代の土台を独占」
  • CUDAという堀で、当面は他社に置き換えられない。AI計算の“通行料”を取り続けられる。
  • 売上+65%・営業利益率約6割という、成長と質の両立。普通の高成長株より格段に強い。
  • AIは学習から推論(日常利用)へ広がる。需要はまだ序盤、という長期の楽観。
  • ±PERは約25倍まで低下。成長を考えれば割高すぎないという評価も。

慎重派の見方

「高すぎ・偏りすぎ」
  • PSR約22倍・時価総額4.7兆ドルは歴史的高水準。期待が剥がれると下げも大きい。
  • 売上がクラウド大手数社に集中。各社が自社チップ(内製)を進めれば需要が削られる。
  • AI設備投資が過剰投資・一服に転じれば、急成長は一気に逆回転しうる(循環性)。
  • ±対中輸出規制で中国売上が読みにくい。地政学の影響を受けやすい。

出所:各種報道・市場コメント(2026年6月時点)。評価は時点で大きく変わります。

11 / CUDAという堀

なぜ、他社はNVIDIAを追い抜けないのか。

NVIDIAの“顔”は、チップの性能そのものよりCUDA(クーダ)というソフトの堀です。20年かけて築いた「開発者が離れられない仕組み」が、高い利益率と独占を支えています。

CUDAとは——GPUでAIや計算を動かすための開発の共通語。世界中のAIエンジニアがCUDA前提でツールやノウハウを積み上げてきたため、他社の安いチップに替えると、作り直しのコストが膨大になります。

これは「スマホをiPhoneからAndroidに替えると、アプリや操作を覚え直すのが面倒」という乗り換えコストと同じ。NVIDIAはチップ+CUDA+ネットワークを一体で囲い込み、AI計算の“プラットフォーム”になっています。だから値下げ圧力に強く、利益率が高い。

堀の強み崩れにくい独占

  • 乗り換えコスト:CUDA前提の資産が世界中に積み上がり、他社へ移りにくい。
  • エコシステム:研究・ライブラリ・人材がNVIDIA中心に集まる好循環。
  • 一体提供:チップ単体でなく、つなぐ技術とソフトまで“まとめ売り”。
  • 高い利益率:堀があるから価格決定力が強く、営業利益率は約6割。

堀への挑戦それでも狙われている

  • 顧客の内製化:Google・Amazon・Microsoftが自社AIチップを開発。
  • 競合:AMDなどがハード性能で追い上げ、ソフト互換の動きも。
  • オープン化:CUDA依存を嫌う業界の“脱・囲い込み”の動き。
  • 規制:独占的地位は各国の競争当局の視線も集めやすい。
このシリーズの中で

各社には“堀”がある

Appleはエコシステム(iPhoneと囲い込み)、Microsoftはクラウドと法人基盤、Googleは検索とデータ——というように、巨大テック各社にはそれぞれの「崩れにくい堀」があります。NVIDIAの堀はCUDA。日本株版で各社に“顔”があったように、オルカン上位の見どころは「堀の強さ」です。

12 / マクロ環境との接点

AI投資・電力・規制・競争。

NVIDIAの業績は、世界のAI投資の波と地政学に直結します。追い風と逆風を整理します。

AI設備投資

最大の追い風

クラウド大手やAI企業がデータセンターに巨額を投資。その大半がNVIDIAのGPUに向かい、売上を押し上げています。

投資が続く限り最強。逆に「投資が一服」のサインに株価が最も敏感です。

電力・インフラ

ボトルネック

AIデータセンターは大量の電力を食います。電力不足が普及の制約になり得る一方、省電力チップはNVIDIAの強みにも。

電力・冷却・土地まで含めた“AIインフラ”全体の話になっています。

米中・輸出規制

逆風(地政学)

米国は先端AIチップの中国向け輸出を規制。NVIDIAは大きな中国市場の一部を取りこぼすリスクを抱えます。

規制の強弱でガイダンスが揺れ、株価の不確実性要因になります。

競争・内製化

中長期の論点

AMDの追い上げ、そして大口顧客の自社チップ開発が最大の競争。CUDAの堀がどこまで持つかが鍵。

推論市場では、より安いチップとの競争が激しくなる可能性があります。

出所:各種報道・会社資料(2026年6月時点)。マクロの影響は不確実性が高く、方向感を示すものです。

13 / 5年・10年・20年の立ち位置

「学習」から「推論」、そして現実世界へ。

NVIDIAの長期の方向性です。近い将来は会社の戦略遠い将来は不確実な見立てとして区別して読んでください。

いま / 2026
AI学習の王者
現在地
実績
  • 売上2,159億ドル・+65%
  • データセンターが約9割
  • 時価総額 世界トップ級
〜5年
推論への拡大
会社戦略
戦略
  • AIが学習から「推論(使う)」へ広がり需要拡大
  • 毎年の新型GPUで性能を更新し続ける
  • ネットワーク・ソフトの一体提供を強化
〜10年
あらゆる計算の土台
ビジョン
ビジョン
  • AIが社会の隅々に入り、計算需要が常態化
  • ロボティクス・自動運転が新たな柱に
  • “AIインフラ企業”として定着を狙う
〜20年
分岐点
構造シナリオ(推定)
見立て
  • 堀が保てれば計算インフラの中核であり続ける
  • 顧客の内製化・新技術で独占が崩れるシナリオも
  • AI需要の循環で業績が大きく上下する可能性

近い将来は会社の戦略に沿いますが、達成は環境次第。遠い将来ほど不確実性が大きく、ここでの記述は一つのシナリオです。

14 / 為替と株主還元

ドル建ての株。だから「為替」も効く。

米国株はドル建て。日本のあなたが(投信や個別株で)持つと、株価だけでなく円高・円安の影響も受けます。還元は配当より自社株買い中心です。

為替(ドル円)の効き方

円安になると、円換算の評価額は増える(同じ株価でも円では高くなる)。逆に円高は目減り要因。

② オルカンやS&P500も中身はドル資産。あなたの投信の値動きの一部は「為替」でできています。

③ 株価が上がっても円高ならリターンは薄れる——「株 × 為替」の二段構えで見るのがコツです。

株主還元は「自社株買い」中心

配当は2026年5月に25倍へ増配(年$1.00・利回り約0.5%)。それでも低く、成長株は稼いだ現金を再投資と大規模な自社株買い(同月に800億ドルの枠を追加)に回します。

自社株買いは発行株数を減らし、1株あたり利益(EPS)を押し上げる還元。NVIDIAも巨額のFCFをここに充てています。

=「配当が少ない=株主軽視」ではない、という点が日本の高配当株との大きな違いです。

出所:NVIDIA 決算リリース・各金融情報サイト(2026年6月時点)。配当・自社株買いは会社方針で変わります。

15 / リスクと注意点

王者ゆえに、見ておくべき4つのリスク。

強い会社ですが、成長株ならではのリスクがあります。良い面だけでなく、ここを併せて見るのが大切です。

01

高バリュエーション(高PER)リスク

PSR約22倍・時価総額4.7兆ドルは歴史的高水準。AIへの期待が少しでも剥がれると、株価の下げは大きくなりやすい。「良い会社」と「良い株価」は別問題です。

02

AI設備投資の循環(一服)

売上はクラウド大手の投資に依存。投資が過剰だったと判明したり一服すると、急成長が逆回転しうる。半導体は元々“循環産業”である点に注意。

03

顧客の内製化と競争

Google・Amazon・Microsoftが自社AIチップを開発。AMDも追い上げる。CUDAの堀が将来も持つ保証はありません。

04

規制・地政学

対中輸出規制で中国売上が読みにくく、独占的地位は競争当局の視線も集める。地政学イベントで株価が大きく振れます。

NVIDIAは「AIブームの体温計」。オルカンの最大の中身だからこそ、この1社の浮き沈みが、あなたの投信全体にも効いてきます。熱狂と冷静、両方の目で見るのが近道です。

/ 3行でまとめると

このページの要点。

正体:NVIDIAはAI計算の土台をほぼ独占する米半導体の王者。元はゲーム用GPUの会社で、その並列計算が生成AIの心臓部になった。オルカン組入1位(約4.9%)=あなたの投信で最大の中身。

決算:FY2026は売上2,159億ドル(+65%)・純利益約1,201億ドル。データセンター(AI用GPU)が売上の約9割で、3年で売上は約8倍に。営業利益率は約6割と質も高い。

指標:成長レンズで見る。予想PER約25倍・PSR約22倍は高いが、利益が株価より速く伸びPERはむしろ低下=「成長で正当化」される典型。配当は2026年5月に25倍増配(年$1.00)も利回り約0.5%と低く、還元の主役は自社株買い。

堀:強さの源はチップ性能よりCUDAというソフトの堀。世界の開発者が離れられず、高い利益率と独占を支える。ただし顧客の内製化・競合・規制が長期の挑戦。

リスク:高バリュエーション・AI投資の循環(一服)・対中規制。ドル建てなので円高/円安の為替も効く。AIブームの“体温計”として、熱狂と冷静の両目で。