一覧 Meta入門 META / NASDAQ
オルカンの中身 / 成長レンズで読む

「Facebookの会社」では、
もう測れない。
Metaとは何者か。

Meta(ティッカー META)は、Facebook・Instagram・WhatsAppという世界最大級のSNS群を持ち、その広告で稼ぐ米テック大手。あなたのオルカン(全世界株式)でも組入 約1.3%の上位常連です。毎日約36億人が使う巨大ネットワークと、精緻な広告ターゲティングが収益の源。一方でVR/AR(Reality Labs)に巨額投資を続け、AIの設備投資も急拡大しています。見るべきは成長と利益率、そして「投資の重さ」。順番にほどきます。

Facebook
Instagram
WhatsApp
Messenger
広告プラットフォーム
Reality Labs(VR/AR)
Meta AI・Llama
Threads
スマートグラス
時価総額
約1.4兆ドル
売上(FY25)
2,010億ドル
売上成長(前年比)
+22%
予想PER
約20

数値の基準時点:決算=FY2025(2025年12月期、2026年1月発表・米国基準)/ 株価・指標=2026年6月下旬時点の概算。出所:Meta 決算リリース・10-K、各金融情報サイト。ドル建て・四半期で大きく動くため、最新の一次情報をご確認ください。

いそがしい人へ
  • 01MetaはFacebook・Instagram・WhatsAppを持つ世界最大級のSNS×広告の会社。オルカン組入 約1.3%(上位の常連)毎日約36億人が使う巨大ネットワークが収益の源です。
  • 02FY2025(2025年12月期)は売上2,010億ドル(+22%)・営業利益833億ドル。売上の約98%が広告。一方、VR/ARのReality Labsは年約192億ドルの営業赤字を出し続けています。
  • 03純利益は一時的な税負担で横ばい(約605億ドル)。予想PER約20倍はメガテックの中ではむしろ控えめ。ただしAI設備投資の重さ(2026年は最大約1,450億ドル)が最大の論点です。
01 / そもそも何の会社?

SNSの会社が、
“広告の巨人”になった。

Metaは、もともとFacebookという1つのSNSから始まった会社です。そこにInstagram・WhatsAppを加え、世界中の人がつながる巨大ネットワークを築きました。その人の集まりを広告で収益化するのが本業。社名を「Meta」に変えたのは、次の賭けであるメタバース(VR/AR)への意気込みからです。

ポイントは、Metaが売るのは「サービス利用料」ではなくあなたの“注目(アテンション)”を広告主に届ける場所だということ。アプリは無料で、稼ぎはほぼ全部が広告です。

2004

Facebook創業

マーク・ザッカーバーグらが創業。実名制のSNSとして世界中に普及しました。

2012

Instagram買収

写真共有アプリInstagramを買収。スマホ世代の心をつかみ、後の広告の主力に育ちます。

2014

WhatsApp買収

世界最大級のメッセージアプリWhatsAppを買収。3つのアプリで“人の集まり”を囲い込みました。

2021

社名を「Meta」へ

社名をFacebookからMetaに変更。メタバース(VR/AR)への巨額投資を宣言しました。

2022〜23

急落と復活

メタバース投資への不安とiPhoneのプライバシー変更で株価が急落。大規模なコスト削減(効率化の年)で利益を立て直し、株価は復活しました。

2024〜

AIへの全振り

広告の精度向上から自社AI(Llama・Meta AI)まで、AIへ巨額投資。配当も初めて開始し、時価総額は1兆ドル超の巨人に。

02 / どうやって稼ぐ?

売上の約98%が、広告。

Metaの稼ぎは、ほぼ広告だけです。Facebook・Instagram・WhatsApp・Messengerという「アプリ群(Family of Apps)」に集まる膨大な人に、狙った相手へ広告を出せるのが強み。一方、VR/ARのReality Labsはまだ赤字の“投資部門”です。

広告(Family of Apps)

Facebook・Instagram・WhatsApp・Messengerに表示する広告。狙った属性・興味の人に届けられる精度の高さが武器で、売上の約98%を占める主力です。

Instagram・Reels(短尺動画)

TikTokに対抗する短尺動画Reelsが成長の柱に。若い世代の利用を取り込み、広告枠を増やしています。

Reality Labs(VR/AR)

VRゴーグル「Quest」やスマートグラスなど、次世代の“画面の先”への投資部門。売上は小さく、年約192億ドルの巨額赤字。長期の賭けです。

AI(Meta AI・Llama)

自社の生成AI「Llama」とアシスタント「Meta AI」。広告の精度を上げ、アプリの利用時間を伸ばすエンジン。AI向けの設備投資が急拡大中です。

※ Metaは決算を2部門で報告します。Family of Apps(アプリ群=広告で黒字)Reality Labs(VR/AR=赤字)。利益のほぼ全部はFamily of Appsが稼ぎ、Reality Labsはそれを使って未来に投資している関係です。

03 / 売上の構成

どこで稼ぎ、どこに投資しているか。

売上の構成を見ると、ほぼ広告一本なのがはっきり分かります。裏を返せば、広告市況とプライバシー規制しだいで業績が動くということ。そして稼いだお金をReality LabsとAIに注いでいます。

部門別売上の構成

FY2025(2025年12月期)/部門別売上の概算・億ドル
広告(Facebook/Instagram等) 98% Family of Apps その他収入 1% Reality Labs(VR/AR) 1%
主力(SNS広告)その他(課金等)新領域(VR/AR)

※ 概算イメージ。売上の約98%が広告(FY2025は約1,962億ドル)。Reality Labs(VR/AR)の売上はごく小さい一方、年約192億ドルの営業赤字を出しています。

3つの役割で読み解く

「成長レンズ」では、配当より伸びと持続性を見ます。3分類で整理します。

主力

稼ぎ頭
SNS広告(Family of Apps)
FacebookInstagramWhatsApp

売上の約98%・利益のほぼ全部。AIで広告の精度が上がり、1人あたり広告単価も2桁で上昇。極めて高い利益率を生みます。

成長エンジン

利用を伸ばす
Reels・Threads・Meta AI
短尺動画新SNSAIアシスタント

TikTokに対抗するReelsや新SNS Threads、AIアシスタント。利用時間と広告枠を増やす役割で、広告の伸びを下支えします。

新領域

未来への賭け
Reality Labs(VR/AR)
Questスマートグラスメタバース

VR/ARへの長期投資。今は巨額赤字ですが、次の“画面”を取りにいく賭け。成否は当面読みにくい領域です。

いまの立ち位置

広告一本足の強さと、もろさ

広告に集中するから利益率が高く、効率がよい。一方で、景気・プライバシー規制・広告主の予算に業績が左右されやすい一本足でもあります。

だからMetaは、AIで広告の精度を上げつつ、Reality Labsで広告の外に新しい柱を作ろうとしています。

出所:Meta FY2025 決算リリース・各社報道。構成比は概算で、四半期ごとに変動します。

04 / 最新決算を読む(成長が主役)

売上+22%、営業利益率は約41%。

成長株では「いくら稼いだか」よりどれだけ速く伸びているか・利益率は高いかを見ます。FY2025(2025年12月期)は、広告が好調で増収増益。ただし純利益は一時的な税負担で横ばいでした。

売上高(FY25)
2,010億ドル
+22% 前年比
営業利益(FY25)
833億ドル
+20% 前年比
純利益(FY25)
605億ドル
一時税負担で横ばい

売上高の推移と来期予想

単位:億ドル / 年次(12月期)
0 625 1,250 1,875 2,500 1,166 FY22 1,349 FY23 1,645 FY24 2,010 FY25 2,400 FY26予 会社予想
実績市場予想(FY26)

FY2022の1,166億ドルから3年で約1.7倍。広告単価とReelsの広告枠が伸び、FY2025は2,010億ドル(+22%)。AIによる広告の精度向上が増収を後押ししました。

成長の質

「伸びていて、しかも高収益」

広告事業(Family of Apps)の営業利益は約1,025億ドルと巨額。会社全体でも営業利益率は約41%と、広告ビジネスの高収益が際立ちます。1人あたりの広告収入も2桁で伸びています。

稼いだ現金は自社株買いと、AI・Reality Labsへの投資に回しています。

注意して読む

利益は「2つの重し」で見えにくい

FY2025の純利益が横ばいなのは、①Reality Labsの年約192億ドルの赤字と、②税制変更(OBBBA)による一時的な税負担(約159億ドル)が重なったため。一時要因を除けば利益は大きく増えています。

さらにAI向け設備投資(FY25で約722億ドル)が急拡大。今後の利益を圧迫しうる点に注意です。

出所:Meta FY2025 決算リリース・10-K(2026年1月発表)。金額は概算・ドル建て。一時税負担は税制変更に伴う非現金費用です。

05 / 来期はどうなる?(ガイダンス)

増収は続く見通し。ただし投資は“さらに重く”。

米国企業は「来四半期の見通し(ガイダンス)」を出します。Metaの足元のガイダンスは増収が続く強気な内容ですが、同時に2026年の設備投資をさらに大きく引き上げると示し、市場の警戒を招きました。

2026年の設備投資ガイダンス(会社見通し)
約1,250〜1,450 億ドル
FY2025(約722億ドル)から大幅増。AIインフラへ全振り
増収は続く一方、投資の重さが利益とFCFを圧迫しうる

ガイダンスを読む3つの注記

① 売上ガイダンスは増収継続。広告需要は当面強いという見立てです。

② 焦点はAI設備投資の急拡大。「投資が大きすぎる/回収できるのか」という不安が株価を揺らします。

③ Reality Labsの赤字は2026年も2025年並みに続く見通し。投資フェーズが続きます。

06 / 株価と「なぜこのPERか」

高値から調整。でもPERはむしろ控えめ。

成長株のものさしは、割安かどうか(PBR)ではなく「PERが成長で正当化されるか」。Metaは2025年に最高値を付けたあと、AI投資への不安で調整。予想PERは約20倍と、メガテックの中では低めです。

株価の推移(2026年・ドル)

終値ベースの主要な節目/単位:ドル
500 550 600 650 700 650 1月 620 3月 600 4/29 560 6/1 555 6/26
株価(ドル)決算発表(4月)
直近の株価(6月下旬)
約555ドル
6/26 終値 $555前後
時価総額
約1.4兆ドル
高値から調整局面
配当利回り
約0.4%
2024年に初配当

成長レンズの指標 ― 割安さより「質」を見る

米国の成長株は配当が低く、PERも高いのが普通。S&P500平均PERは約20〜22倍、メガテックは30倍超も珍しくありません。Metaはその中でPERが控えめな点が特徴です。

売上成長率前年比
+22%

規模が大きいのに2桁成長。AIで広告の精度が上がり、単価が伸びている。

営業利益率収益の質
約41%

広告事業は高収益。ただしReality Labsの赤字が全体を押し下げている。

予想PERforward PER
約20

メガテック(約30倍)より控えめ。S&P500(約21倍)並みの水準。

PSR株価売上倍率
約7

時価総額が売上の何倍か。高収益の広告株として無理のない水準。

EPS1株利益
約23.5ドル

FY25の希薄化後EPS。一時的な税負担がなければさらに大きい。

FCFフリーCF
約450億ドル

稼ぐ現金。概算。設備投資の急増で前年から圧縮された。自社株買いの原資。

自社株買い還元
約263億ドル

FY25の買い戻し額。発行株数を減らしEPSを押し上げる。

配当還元
約0.4%

2024年に初配当を開始。少額だが増配。成長株は再投資が中心。

いちばんの注目点

「メガテックで一番安い」とも言われる

Metaの予想PERは約20倍。NVIDIAやMicrosoftより低く、メガテックの中では割安とされます。理由は、AI設備投資の重さとReality Labsの赤字で「利益が読みにくい」と市場が警戒しているため。逆に言えば、投資が実れば見直し余地があるとも読めます。下のチャートはPER推移のイメージです。

0 10 20 30 12 FY22 22 FY23 26 FY24 27 FY25 20 現在

Metaの予想PERは約20倍。S&P500(約21倍)並みで、メガテック(約30倍)より控えめです。2022年にはメタバース投資への不安で約12倍まで売られた過去も。今はAI設備投資の重さが意識されています。

出所:各金融情報サイト(株価・指標は2026年6月時点の概算、ドル建て)。PER/PSRは集計元・予想の置き方で変わります。株価の節目は概算です。

07 / 他のメガテック・市場と比べる

「高収益×控えめPER」が、Metaの位置。

指標は比べて初めて意味を持ちます。S&P500(市場平均)メガテックに当てると、Metaの「成長は速い・利益率は高い・PERはむしろ控えめ」という位置が見えます。

成長レンズで比較

バーの長さは水準のイメージ(概算)
売上成長率前年比(高いほど成長)
Meta
+22%
メガテック平均
約15%
S&P500平均
約6%
予想PER高いほど割高(成長期待)
Meta
約20倍
メガテック平均
約30倍
S&P500平均
約21倍
営業利益率高いほど“質”が高い
Meta
約41%
メガテック平均
約30%
S&P500平均
約13%

※ メガテック=Apple・Microsoft・Alphabet・Amazon・NVIDIA等の目安。S&P500平均=概算。集計元・時点で変動します。

オルカン上位を並べる(概算)

あなたのオルカンの「中身トップ」を組入比率つきで。Metaも上位の常連です。

銘柄オルカン比率時価総額予想PER売上成長
MetaMETA 約1.3%約1.4兆ドル約20倍+22%
NVIDIANVDA 約4.9%約4.7兆ドル約25倍高成長
AppleAAPL 約4%約4.2兆ドル約30倍1桁台
MicrosoftMSFT 約3%約2.8兆ドル約20倍10%台

同じ「オルカン上位」でも、MetaはPERが最も控えめ。広告の高い利益率とキャッシュ創出力が、その評価を支えています。

08 / 市場・アナリストの評価

評価は「強い買い」優勢。投資負担で見方は割れる。

アナリストは1年後の目標株価と投資判断を出します。Metaは「買い」が大多数ですが、AI設備投資の重さをどう見るかで、目標株価のレンジは広めです。

投資判断(レーティング)の内訳

コンセンサスは「強い買い」寄り。

強気・買い
多数
中立
少数
弱気・売り
ごく少数

※ 大多数が「買い」。売り推奨はごく少数(集計元・時点で変動)。

目標株価(1年後・ドル)

慎重派
620 ドル
平均(コンセンサス)
800 ドル台
強気派
1,000 ドル超

平均目標株価は直近株価(約555ドル)よりかなり上。ただし「AI投資が利益として実るか」への見方で、強気派と慎重派の差が大きく開いています。

市場の関心は一点に絞られます——「AIへの巨額投資は、いつ利益として返ってくるのか」。広告の強さは認めつつ、投資回収のスピードが評価の分かれ目です。

出所:各証券・金融情報サイトのコンセンサス(2026年6月時点の概算)。目標株価・判断は各社・時点で異なります。

09 / 投資信託での位置づけ

あなたのオルカン・S&P500の、上位の常連。

Metaは、日本で大人気のインデックス投信の上位構成銘柄の一つです。「個別株は買っていない」人も、投信を通じてしっかり保有しています。

組入上位
全世界株式(オルカン)で組入比率 約1.3%=上位の常連。S&P500連動ファンドではさらに上位。日本の個人が積み立てるお金の一部はMetaにも向かっている計算です。

パッシブインデックス投信での採用

時価総額が大きい=指数での比率も大きい

  • 全世界株式(オルカン)組入比率 約1.3%で上位の常連(2026年5月末時点)。世界中の株から多く持たれている。
  • S&P500米国500社の指数では上位の構成。米国株インデックスの主力の一つ。
  • ナスダック100・通信サービス指数ハイテク・通信サービスの指数では中心的存在。

時価総額が大きいほど、指数の中での比率も大きくなります。Metaが動くとオルカンやS&P500もそれなりに動く——それだけの存在感です。

アクティブ成長株ファンドの定番

AI・テクノロジーを狙う投信の中核

  • AI・テクノロジー関連ファンドAI×広告の本命として、上位に組み入れられることが多い。
  • 米国成長株ファンド高成長・高利益率の象徴として定番の保有銘柄。
  • 通信サービス・ネット関連ファンドネット広告・SNSテーマの中心。値動きの主役になりやすい。

出所:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)月次レポート(2026年5月末基準)、各運用会社の交付目論見書等。組入比率・順位は毎月変動します。

10 / 投資家からの評判

「広告の現金製造機」か、「投資が重すぎ」か。

Metaは、評価が割れる銘柄です。広告の強さを評価する強気派と、AI・VRへの投資の重さを警戒する慎重派。両方の言い分を並べると、この株の性格が見えてきます。

強気派の見方

「広告は無敵、PERも割安」
  • 約40億人のネットワークと広告ターゲティングのデータ。当面は崩れない堀。
  • 売上+22%・営業利益率約41%。AIで広告の精度が上がり、単価も伸びている。
  • 予想PER約20倍はメガテックで最も控えめ。投資が実れば見直し余地。
  • ±巨額のAI投資は広告の競争力を一段と高める布石、という前向きの解釈も。

慎重派の見方

「投資の重さと規制」
  • Reality Labsは年約192億ドルの赤字。回収のメドが立たない長期投資。
  • AI設備投資が急拡大(2026年は最大約1,450億ドル)。利益とFCFを圧迫しうる。
  • 売上のほぼ全部が広告。景気・プライバシー規制・広告主の予算に左右される。
  • ±若年層のTikTok流出と、各国の独禁・プライバシー規制が長期の重し。

出所:各種報道・市場コメント(2026年6月時点)。評価は時点で大きく変わります。

11 / 約40億人のネットワーク効果

なぜ、みんなFacebookとInstagramにいるのか。

Metaの“顔”は、アプリの機能そのものより「約40億人がいる」というネットワーク効果と、広告ターゲティングのデータです。20年かけて積み上げた「友人がいるから離れられない仕組み」が、高い利益率を支えています。

ネットワーク効果とは——人が多いほど、さらに人が集まるという好循環。友人・家族・取引先がFacebookやInstagram、WhatsAppにいるから、1人だけ抜けても意味がない。だから利用者が離れにくいのです。

さらに、膨大な利用データから「誰にどの広告が効くか」を精密に当てられる。広告主はユーザーがいる場所に集まるため、世界最大級の広告基盤が回り続けます。だから広告の単価決定力が強く、利益率が高い。最近はAIで広告の精度と推薦をさらに強化し、堀を守りにいっています。

堀の強み崩れにくい優位

  • 約40億人のネットワーク:毎日約36億人が利用し、人が人を呼ぶ好循環。
  • 広告ターゲティングのデータ:誰に何が効くかを精密に当てられる。
  • 切替コスト:友人・家族がいるから、他のSNSへ移っても意味が薄い。
  • AIと一体運用:自社AI(Llama)で広告と推薦の精度を高め続ける。

堀への挑戦それでも狙われている

  • 若年層の流出:TikTok等に時間を奪われ、世代交代のリスク。
  • プライバシー規制:AppleのATTやEUの規制で広告精度が削られる。
  • 広告依存:売上の約98%が広告。景気と規制に左右されやすい。
  • 独禁・規制:巨大プラットフォームとして各国の競争当局の視線も。
このシリーズの中で

各社には“堀”がある

NVIDIAはCUDA(ソフトの堀)、Appleはエコシステム(iPhoneと囲い込み)、Microsoftはクラウドと法人基盤、Googleは検索とデータ——というように、巨大テック各社にはそれぞれの「崩れにくい堀」があります。Metaの堀は約40億人のネットワークと広告データ。オルカン上位の見どころは「堀の強さ」です。

12 / マクロ環境との接点

広告景気・AI投資・プライバシー規制・競争。

Metaの業績は、世界の広告景気とAI投資、そして規制に直結します。追い風と逆風を整理します。

広告景気

最大の追い風/循環

売上の約98%が広告。景気がよく企業の広告予算が増えれば、Metaの売上も伸びます。

逆に景気後退では広告が真っ先に削られるため、循環の影響を受けやすいのが弱点です。

AI設備投資

重い投資

AI向けデータセンターに巨額投資。広告精度を高める一方、減価償却と費用が利益を圧迫します。

FY25の約722億ドルから、2026年は最大約1,450億ドルへ。市場が最も気にする点です。

プライバシー・規制

逆風

AppleのATT(追跡制限)やEUの規制で、広告のターゲティング精度が削られるリスク。

独禁・データ規制の強弱で、ビジネスモデルが揺れる可能性があります。

競争・若年層

中長期の論点

TikTok等が若年層の時間を奪う。MetaはReelsで対抗し、利用時間を守っています。

次の入口(AIアシスタント・スマートグラス)を誰が握るかも、長期の競争軸です。

出所:各種報道・会社資料(2026年6月時点)。マクロの影響は不確実性が高く、方向感を示すものです。

13 / 5年・10年・20年の立ち位置

「広告」から「AIと、画面の先」へ。

Metaの長期の方向性です。近い将来は会社の戦略遠い将来は不確実な見立てとして区別して読んでください。

いま / 2025
SNS広告の巨人
現在地
実績
  • 売上2,010億ドル・+22%
  • 広告が約98%・営業利益率約41%
  • 毎日約36億人が利用
〜5年
AIで広告を強化
会社戦略
戦略
  • AI(Llama・Meta AI)で広告精度と利用時間を伸ばす
  • Reels・Threadsで若年層を取り込む
  • AIアシスタントを各アプリの入口に
〜10年
画面の先へ
ビジョン
ビジョン
  • スマートグラス・AR/VRが新たな柱になるか
  • AIエージェントが新しい広告・課金を生むか
  • “注目を集める場所”の主役であり続ける
〜20年
分岐点
構造シナリオ(推定)
見立て
  • 堀が保てれば広告とネットワークの中核であり続ける
  • 若年層流出・規制でネットワークが細るシナリオも
  • 巨額のAI/VR投資が実るか、重荷になるかで明暗

近い将来は会社の戦略に沿いますが、達成は環境次第。遠い将来ほど不確実性が大きく、ここでの記述は一つのシナリオです。

14 / 為替と株主還元

ドル建ての株。だから「為替」も効く。

米国株はドル建て。日本のあなたが(投信や個別株で)持つと、株価だけでなく円高・円安の影響も受けます。還元は自社株買いが中心で、2024年からは配当も始まりました。

為替(ドル円)の効き方

円安になると、円換算の評価額は増える(同じ株価でも円では高くなる)。逆に円高は目減り要因。

② オルカンやS&P500も中身はドル資産。あなたの投信の値動きの一部は「為替」でできています。

③ 株価が上がっても円高ならリターンは薄れる——「株 × 為替」の二段構えで見るのがコツです。

還元は「自社株買い+配当」

中心は大規模な自社株買い(FY25で約263億ドル)。発行株数を減らし、1株あたり利益(EPS)を押し上げる還元です。

加えて2024年に創業以来初の配当を開始。利回りは約0.4%と少額ですが、毎年の増配余地があります。

=成長株は配当より再投資と自社株買いが中心、という点が日本の高配当株との違いです。

出所:Meta 決算リリース・各金融情報サイト(2026年6月時点)。配当・自社株買いは会社方針で変わります。

15 / リスクと注意点

巨人ゆえに、見ておくべき4つのリスク。

強い会社ですが、成長株ならではのリスクがあります。良い面だけでなく、ここを併せて見るのが大切です。

01

AI設備投資の重さ/Reality Labsの赤字

2026年の設備投資は最大約1,450億ドルと急拡大。Reality Labsも年約192億ドルの赤字が続く。投資が利益として回収できるかが最大の論点で、見通しが揺れると株価も大きく動く。

02

広告依存(景気・プライバシー規制)

売上の約98%が広告。景気後退で広告予算は真っ先に削られ、AppleのATTやEU規制でターゲティング精度も削られうる。一本足の強さは、もろさでもある。

03

若年層離れと競争

TikTok等が若年層の時間を奪う。Reelsで対抗しているが、世代交代でネットワーク効果が弱まれば、長期の堀に響く。

04

規制・独禁、そして為替

巨大プラットフォームとして各国の独禁・データ規制の標的になりやすい。さらにドル建てのため、円高はリターンの目減り要因になる。

Metaは「広告の現金製造機」と「重い未来投資」が同居する銘柄。オルカンの上位の中身だからこそ、この1社の浮き沈みも、あなたの投信に効いてきます。熱狂と冷静、両方の目で見るのが近道です。

/ 3行でまとめると

このページの要点。

正体:MetaはFacebook・Instagram・WhatsAppを持つ世界最大級のSNS×広告の会社。毎日約36億人が使う巨大ネットワークを広告で収益化する。オルカン組入 約1.3%=あなたの投信の上位の中身。

決算:FY2025は売上2,010億ドル(+22%)・営業利益833億ドル。売上の約98%が広告で、営業利益率は約41%と高い。純利益は一時的な税負担とReality Labs赤字で横ばい(約605億ドル)。

指標:成長レンズで見る。予想PER約20倍はメガテックの中ではむしろ控えめ、PSR約7倍。配当は2024年開始で少額、還元は自社株買い(FY25で約263億ドル)が中心。

堀:強さの源は約40億人のネットワーク効果と、広告ターゲティングのデータ。友人がいるから離れられない。ただし若年層流出・プライバシー規制・独禁が長期の挑戦。

リスク:AI設備投資の重さ(2026年は最大約1,450億ドル)とReality Labsの赤字・広告依存・規制。ドル建てなので円高/円安の為替も効く。広告の現金製造機と重い未来投資の同居を、両目で。